飲食店の開業費用と収益目安!札幌での実例売上と経費も公開

飲食店開業費用

飲食店を始めるのなら「お店を始めるのにいくらかかる?」は最初のハードルですよね。

気になる相場的には以下。

飲食店開業費用の相場
  • 500万円未満:44%
  • 500万~1,000万円未満:28%
  • 1,000万~2,000万円未満:19%
  • 2,000万円以上:9.0%

開業費用の目安としては500~1000万円ですが、出店エリア次第(基本的に人口密集度が高いほど家賃も高い)では500万円以下に抑えることもできるので、資金と想定収益とのバランスで出店プランを考えていきましょう。

そして「売上・経費・利益はどのくらい?」も非常に気になるポイントかと思います。

そこで経験者の私が実例と合わせて、飲食店収益目安をご紹介。

知っておかないと失敗する開業費用と経費についても紹介していくので、飲食店開業を予定されている方はぜひチェックしてください。

開業費用や売上や経費目安は、都道府県によっても異なりますし、出店エリア(繁華街か住宅街か)によっても異なります。
それぞれの店舗状況や規模と合わせてご参考ください。

目次

飲食店の開業費用・収益目安

飲食店の収入

業種や出店エリアによってもピンキリですが、まずは飲食店で収益を上げるための適正数字とポイントをチェックしておきましょう。

項目費用感ポイント
開業費用500万円未満:44%
500万~1,000万円未満:28%
1,000万~2,000万円未満:19%
2,000万円以上:9.0%
出店エリアや規模次第
家賃売上の10%内駐車場代に注意
食材原価売上の25~35%顧客満足度と廃棄ロスに注意
人件費売上の25~30%自分が働ければ人件費削減可
ピーク時間以外のシフト調整も重要
光熱費売上の5%内値上げに注意
その他経費売上の10%内販促費・消耗品・雑費類

上記数字で店舗運営できた場合、売上の10~20%ほどが利益となる数字です。

例えば、1日50人・客単価1200円・月25日営業の場合、月間売上150万円・利益15~30万円といった数字になります。

開業費用が1000万円だった場合、33~66か月(3~6年)での回収が見込める計算です。

ただし、不測の出費や経費値上げもありますし、赤字が続いてしまうと非常に悪いサイクルにもなってしまいます。

売上に対して食材や人件費は適正か?

光熱費やその他経費を使いすぎていないか?

きっちりと帳簿管理し、各数字を把握して改善を続けてください。

ギリギリの数字ではなく、余裕のある経営体制を維持できるかが店舗運営のコツの一つです。

利益が出ている場合の多店舗展開は収益倍増展開でもありますが、食材や光熱費高騰等で赤字に転落するとマイナスも倍増してしまいます。
好調に見えたチェーン店が突然閉店続きとなる場合もありますし、多店舗展開には十分気を配ってリスク管理をしてください。

札幌での飲食店の開業費用例

飲食店テナント

例として、参考とする飲食店の状況は以下です。

  • 北海道札幌市
  • 非繁華街
  • 幹線道路沿い
  • 20坪25席

こちらは私が開業したカレー店ですが、ラーメン屋や他業種でも大きく変わらない数字になるはずです。

開業初期費用

項目金額
店舗取得費75万円
(敷金:家賃3か月分+前払い家賃+仲介料1か月分)
家賃15万円
(幹線道路沿い・雑居ビル1F・駐車場1台付)
内装費130万円
外装費200万円
厨房機器冷蔵庫(新品):25万円
コールドテーブル(新品):15万円
ガステーブル(中古):8万円
ガス炊飯器(中古):6万円
2層シンク(中古):3万円
食器棚:6万円
その他備品テーブル・椅子:30万円
食器類:5万円
のれん:5万円
のぼり:1万円
装飾品:2万円
レジ:2万円
ショップカード・割引券:1万円
広告費求人費:1万円
販促費:1万円
約530万円

開業予算500万円でしたが、諸々を揃えるうちに少しはみ出てしまいました。

開業費用の反省点としては、外装に電光看板70万円を使うべきではなかったし、内装をDIYで50万円に抑えられたはずなので、運転資金にあと150万円を回すべきだっとと思います。

今考えると、幹線道路沿いなので駐車場は3台以上あるテナントを選ぶべきでしたし、立地等も含めてテナント選びには妥協してはいけなかったのも反省点です。

1か月収益例

項目金額
売上936,000円
(客単価1200円×1日30人×26日)
家賃15万円
光熱費7万円
食材費40万円
人件費50万円
(常勤スタッフ2~3名体制)
消耗品・雑費2万円
販促費1万円
差引利益-214,000円

こちらは開業1年目の数字で、月々21万円ほどの赤字です。

シンプルに客数が足りず、1年目の飲食店のよくある数字(少し悪め)かもしれません。

売上に対して食材費42.7%・人件費53.4%ともなっているので、FL比率(売上に対する食材費と人件費率)もめちゃくちゃです。

1日の客数30人であれば1人で捌くべきですし、それが自分1人、もしくは家族に手伝ってもらう程度なら黒字化も可能です。

オープン時の盛況に惑わされず、しっかりと人件費管理して安定経営を目指してください。

オープン1~2週間は盛況で、落ち着いた1か月後から赤字となり、運転資金を使いながら営業。
2~3年目から黒字化というのも飲食店収益の傾向でもあると思います。

開業費用を抑えるためには?

飲食店経営者の年収

飲食店の開業費用を抑えるには、色々な方法があります。

  • DIYする
  • 客席を少なくする
  • 中古品も取り入れる
  • SNS活用で求人費を抑える
  • 間借りで開業する

等々。

DIYや中古品はむしろ味のある雰囲気に仕上がることもありますし、お店のグレードを下げずに開業費用を抑える方法はセンス次第。

開業資金ゼロで飲食店を始められる「間借り営業」もありますし、ぜひ色々な選択肢を取り入れてみてください。

既存飲食店の休眠時間(定休日、居酒屋の昼時間、カフェの夜時間等)を借りての営業を「間借り営業」と呼びます。
間借りで人気が出たら新規出店という流れも多いですし、ひとつの開業方法として間借りもおすすめです。

収益を上げるには

飲食店経営

飲食店の収益を上げるには、色々な方法がありますが、基本はシンプルでもあります。

「売上を増やす」か「経費を減らす」ということで、それぞれの施策例を一覧としてみました。

売上を増やす

施策例
客数を増やす・SNSやチラシで新規集客
・満足度UPでリピーター増
・ピーク時の回転率を上げる
客単価を上げる・料理価格アップ
・追加オーダー促進
・セットメニュー活用

経費を減らす

施策例
仕入れ費削減・食材見直し
・仕入先見直し
・大量仕入れによる価格交渉
人件費削減・自動化でスタッフ減
・能力による給与差別化
光熱費削減・価格交渉
・ピーク時以外の使用量調節

経費削減には満足度減少というデメリットも出てきてしまいますが、売上を伸ばす施策はどんどんと打ち出すべきです。

現状維持も大切ですが、厳しい飲食業界ということもあって、他店との差別化も非常に大切です。

積極的に施策を打ち、改善を繰り返して収益を伸ばしていきましょう。

飲食店経営の収益についてはこちらも合わせてご参考ください。

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