飲食店開業準備は、コンセプト考案から物件取得、厨房機器や備品購入、販促物制作まで多岐に渡ります。
自己資金準備まで考えると数年単位での準備期間も必要となりますが、物件取得から開店までだと3か月といったところでしょうか。
そして、準備期間で飲食店の成功失敗が決まると言っても過言ではありません。
そこで本ページでは、飲食店を始めるための準備から、よくある準備付属の失敗までをわかりやすくまとめてみました。
開業準備で失敗したくない方はぜひご参考ください。
飲食店開業までの流れと準備
まずは、飲食店開業準備のざっとした流れです。
どれも重要で必要なことなので、ぜひそれぞれをチェックしてください。
- 店舗コンセプト構想(店舗設計・調理メニュー等)
- 自己資金準備
- 保健所への事前相談(調理メニューによる必要条件)
- 食品衛生責任者講習で資格取得
- 条件を満たす物件探し・取得(融資が必要な場合は並行して金融機関に相談)
- 施工業者探し・図面を貰う(飲食店営業許可申請に必要)
- 近隣への挨拶(施工工事の断り)
- 施工・公共設備開通(外装・内装・ガス・水道・電気)
- 厨房機器購入(シンクや冷蔵庫等)
- 保健所への飲食店営業許可届出申請(図面・調理工程・食品衛生責任者が必要)
- 保健所の立入検査(適合しない場合は再施工)
- 什器購入(食器類・テーブル・椅子・備品類)
- 装飾品購入
- 仕入先探し
- 制服類発注
- 産廃業者契約
- メニューや店舗撮影
- 販促物制作(メニュー表・フライヤー・ショップカード・のれん・のぼり等)
- スタッフ募集・業務教育
- SNSやホームページ開設
- 開店告知(SNSやフライヤー)
- 店舗内外の清掃
- レセプション・プレオープン
- 料理の仕込み
- 本開店
多岐に渡る準備ですが、大きく分けると「届出・施工・設備購入・人材教育・調理」の5つと考えることもできます。
集客ももちろん必要ですが、まずは営業環境をしっかりと整える準備を重視しましょう。
営業環境が悪い状況で集客をしてしまうと、悪い印象も広まってしまいます。
スタートからの評判が最重要と考え、しっかりと準備してから集客を始めましょう。
飲食店を始めるための自己資金準備
飲食店開業に必要な自己資金として、最低でも300万円は準備しておきましょう。
自己資金にプラスして、融資や助成金でいくらまで資金確保できるかも重要です。
また、物件取得や設備購入費だけではなく、半年分の運転資金も確保しておきましょう。
運転資金がないと、集客面にも資金を回せませんし、何かのトラブルで資金がショートして閉店してしまう、なんてことにもなってしまいます。
資金は開店してから準備するのではなく、融資も含めて開業前からしっかりと計画しておきましょう。
物件探し・取得・施工
希望条件に合う物件を探すのが大変ですが、物件探しは飲食店開業において夢が膨らむ時間でもあります。
そして、飲食店が成功するかどうかは、物件によって大半が決まると言っても過言ではありません。
繁華街と住宅街では適した営業スタイルや収益割合も異なります。
物件探しは妥協せず、想定した営業スタイルに適した物件を根気強く探すことはとても大切です。
そして、希望物件を契約できると物件取得→施工→保健所立入検査の流れとなります。
候補物件と施工内容が飲食店営業許可を取れるか、事前に保健所に相談しておきましょう。
飲食店営業許可届出・手続き準備
飲食店開業準備として、各役所へ届出をしなければなりません。
届出を一覧としてまとめてみましたのでご参考ください。
届出 | ポイント | 管轄 |
---|---|---|
飲食店営業許可 | 申請に食品衛生責任者の資格が必要 | 保健所 |
防火対象物使用開始届出書 | 施工業者が代理届出する場合も多い | 消防署 |
深夜酒類提供飲食店営業許可 | 夜12時を過ぎて酒類を提供する場合 | 警察署 |
風俗営業許可 | 女性が接待営業する場合 | 警察署 |
個人事業開業届 | 開業後1か月以内に届出 | 税務署 |
基本的には、食品衛生責任者講習を受け、保健所に飲食店営業許可を申請することになります。
その他の届出も必要に合わせて管轄に相談してみましょう。
詳しくはこちらでも解説しているので合わせてご参考ください。
電気・ガス・水道開通
飲食店では、電気・ガス・水道も開業準備として必須です。
施工前に物件エリアの管轄業者に連絡してみましょう。
水道水以外の水を使用する場合は、飲食店営業申請の際に水質検査報告書も必要となるので注意してください。
設備の準備
飲食店設備は各種準備が必要で、購入するべきものもたくさんあります。
- 厨房機器
- 調理器具
- 食器
- 衛生用品
- テーブル
- 椅子
- 装飾品
- ユニフォーム
- のれん
- のぼり
- メニュー表
- 備品・消耗品
それぞれ市販品を購入する場合もありますが、テンポスのような専門店や業者に依頼するのもおすすめです。
施工業者が紹介してくれたり、カタログを持っている場合もあるので、特にツテがない場合は関係者に聞いてみましょう。
決済や集客関連など、たくさんの業者が施工中に営業にくるはずです。
不要なものも営業されることも多いので、しっかりと選別しましょう。
人材の準備
人材・スタッフの準備も大切です。
募集~採用~教育の流れがあるので、施工中から早めに募集をかけるのもおすすめです。
アルバイト求人情報誌での募集も効果的ですし、SNSでの募集も割と反応がある印象なので、費用を考えて募集方法を考えてみましょう。
調理メニュー準備
飲食店の華ともいえる「メニュー考案」
開業前からある程度の想定はあると思いますが、厨房が使えるようになったらどんどんと準備を進めて形にしていきましょう。
スタッフとのメニュー共有も大切です。
メニュー考案→レシピ作り→盛り付け→メニュー表作成の流れとなります。
弊社ではメニュー撮影からメニュー表作りまで対応しておりますので、ご用命ございましたらぜひお声がけください。
→メニュー表作成
プレオープン
一連の業務の流れをシミュレーションしておくことも大切で、本オープン前にプレオープンとしてお試し開店するのもおすすめです。
そして、プレオープンで見つかった問題はすぐに業務改善してください。
より良い本オープンを目指しましょう。
ただし、お客様はプレオープンも評価対象として口コミとなる傾向です。
プレオープンと言って侮らず、本オープンの気持ちで臨みましょう。
開店当日の準備
開店当日にも準備があります。
料理の仕込みはもちろんですが、清掃面にも気を配りましょう。
また、お釣りにも余裕を持っておいてください。
告知次第ですが、開店当日は想定よりも客足があるはずです。
スタッフも余裕を持って出勤し、しっかりと営業モードに入っておきましょう。
朝に関係業者からお花等のお祝いが届くはずです。結構な量となる場合もあるので、お花を置くスペースも確保しておきましょう。
よくある準備不足
飲食店開業準備をしていると、あっというまに2~3か月が過ぎて、開店時に不備が残ってしまうことも。
よく耳にする準備不足をまとめてみたので、開店で失敗したくない方はご参考ください。
- 食材不足
- 人員不足
- オペレーション不足
- お釣り不足
- 行列対応不足
特に、開店初日はスタッフが業務慣れしていないことに加え、開店を楽しみにしていたお客様で1日中行列ということもよくあり、キャパオーバーともなってしまいがちです。
告知に力を入れていたなら、整理券を用意しておくのもいいかもしれませんね。
飲食店開業準備まとめ
飲食店開業準備はやることが盛りだくさんです。
- 資金準備
- 物件準備
- 施工準備
- 設備準備
- 調理準備
- 人員準備
できるだけしっかり準備をして、余裕を持った開店を迎えてください。