経験者による飲食店開業までのフローチャートと押さえるべき重要ポイント

飲食店開業フローチャート

飲食店をスムーズに開業するために、経験者が開業フローチャートと押さえるべき重要なポイントをまとめてみました。

まず気を付けたいことは「物件を決めて施工が始まるととにかく早い」ということ。

各種届出から許認可まで時間もかかりますし、予定がずれ込んでしまう無駄な時間には気を付けてください。

また、開店日に向けての準備不足は最悪です。

スタートから良い口コミを獲得するためにも、フローチャートをチェックしてしっかりと開店準備を進めましょう。

目次

飲食店開業までのフローチャート

フローチャート
  • 店舗コンセプト構想(店舗設計・調理メニュー等)
  • 自己資金準備
  • 保健所への事前相談(調理メニューによる必要条件)
  • 食品衛生責任者講習で資格取得
  • 物件探し・取得(融資が必要な場合は並行して金融機関に相談)
  • 施工業者探し
  • 施工図面を貰う(飲食店営業許可申請に必要)
  • 近隣への挨拶(施工工事の断り)
  • 施工・公共設備開通(外装・内装・ガス・水道・電気)
  • 厨房機器購入
  • 保健所への飲食店営業許可届出申請(図面・調理工程・食品衛生責任者が必要)
  • 保健所の立入検査(適合しない場合は再施工)
  • 開業手続き(税務署に開業届出や税理士契約など)
  • 什器・装飾品購入(食器類・テーブル・椅子・備品類)
  • 仕入先探し
  • 産廃業者契約
  • スタッフ募集・業務教育
  • 制服類発注
  • メニューや店舗撮影
  • 販促物制作(メニュー表・フライヤー・ショップカード・のれん・のぼり等)
  • SNSやホームページ開設
  • 開店告知(SNSやフライヤー)
  • 店舗内外の清掃
  • レセプション・プレオープン
  • 料理の仕込み
  • 本開店

フローチャートの期間としては、自己資金期間が最も長くて数年単位となるはずです。

以降は、物件探しに1か月~半年、施工に1~3か月、営業許可届出に1か月といった期間目安です。

届出まで済んでしまえば、あとはかなりのスピード感で進むはず。

どんどんと開店日が迫ってくるので、しっかりと開店準備をして、スタートから良い口コミを獲得するようにしましょう。

飲食店コンセプト構想

飲食店経営

飲食店開業フローチャートとして最初に来る「コンセプト構想」

  • どんなお店か
  • なんのお店か
  • どこにお店を作るか
  • 誰がターゲットか
  • いつお店を始めるか
  • どんな方法でお店を軌道に乗せるか

コンセプトは多岐に渡りますが、非常に大切で、構想段階で成功失敗の大半が決まると言っても過言ではありません。

練りに練ってください。

美味しいお店というだけでは成功しません。

他店との差別化=自店ならではの強みを打ち出しましょう。

そして、コンセプトに合わせての開業資金準備です。

自己資金準備+融資

飲食店開業資金

飲食店開業に必要な自己資金は、数年単位での準備となるかと思います。

そして、融資や助成金申請は、物件取得の目安も必要となるため、物件探しと並行することも多いです。

ただ、まずは事前相談から入ってみることもおすすめ。

開業資金関連は、事前相談含めてフローチャート初期に進めておきましょう。

業者探しのコツ

飲食店業者

飲食店開業までに様々な業者と関わることになります。

  • 物件仲介業者
  • 施工業者
  • 仕入れ業者
  • 産廃業者
  • 印刷業者

業者同士の繋がりも多いので、施工業者から各業者を紹介してもらえることも多い印象です。

当てがない場合はネットで探すのもいいですが、お気に入りや目標のお店があれば勇気を出して「業者さん紹介してください」と一声かけてみるのもいいかもしれません。

声のかけ方次第ですが、頼られることが好きなお店の方もいらっしゃいますし、お店同士の繋がりを大切にしている方も多いので、親切に紹介してくれるパターンも割と多いかと思います。

求人情報を出すと、多くの業者から営業がかかります。
実際不要なものの営業も多いので、しっかりと断るのも大切となります。

物件探し

飲食店テナント

物件探しは、どこまで妥協できるかですが、期間は半年を見ておきましょう。

既存空き物件から希望条件とピッタリの物件が見つかることは稀で、新規物件を待つことになるケースも多いです。

ネットに残っている物件は、言い方は悪いですが売れ残りの場合も多いです。
売上の立ちやすい物件は、ネットに乗る前に業者間で契約が決まってしまうことも多いので「閉店テナントが出たら教えてください」等の事前相談しておくのもおすすめです。

また、物件仲介業者は、スケルトンか居抜きかテナントかで異なりますが、前営業形態まで調べてくれるような業者さんがおすすめです。

家賃数十万円+3~6か月分の敷金礼金という安くない費用でもありますし、物件立地は飲食店成功失敗を決める大きな要素です。

ぜひ妥協せず、希望条件の物件が出てくるまで待ってみてください。

物件探し中に、飲食店営業許可を申請する保健所への事前相談も進めましょう。
該当物件での必要な施工も教えてくれるはずです。

施工~届出

飲食店テナント

居抜き以外では、基本的にスケルトンから飲食店仕様へと施工する必要があります。

各種工事が必要なので、1~3か月の施工期間は見ておきましょう。

この間に、各種届出や業者探しを並行することになります。

施工前に、近隣店舗への挨拶や、近隣住民への工事告知の投函は済ませておきましょう。
飲食店にとって評判は命。近隣との関係作りも非常に大切です。

役所への届出

飲食店開業手続き

飲食店開業するためには、飲食店営業許可と食品衛生責任者の資格が必要となりますが、営業形態によってはその他の届出が必要な場合もあります。

届出ポイント管轄
飲食店営業許可申請に食品衛生責任者の資格が必要保健所
食品衛生責任者飲食店営業許可届出に必要
月1回程の開催(講習6時間・オンラインあり)
保健所
防火管理者収容人数30人以上の施設に必要
月2回程の開催(講習5~10時間)
消防署
防火対象物使用開始届出書内装工事をする際に必要
施工業者が代理届出する場合も多い
消防署
深夜酒類提供飲食店営業許可夜12時を過ぎて酒類を提供する場合に必要警察署
風俗営業許可女性が接待営業する場合に必要警察署
個人事業開業届個人で事業を開始する場合に必要
開業後1か月以内に届出
税務署

このように各管轄への届出があるので、施設に合わせて必要な届出をチェックしておきましょう。

必要な届出がわからない場合、各管轄に問い合わせてみてください。

各担当者が親切に教えてくれるはずです。

詳細はこちらのページでもまとめているので、合わせてぜひご参考ください。

厨房設備・什器購入

飲食店厨房機器

物件が決まり、施工と並行して厨房機器や什器を購入することになります。

厨房機器選びは、スペースや導線の関係もあるので、施工業者と相談しながらもおすすめです。

購入は新品と中古の選択肢があるので、お好みと費用で選びましょう。

厨房機器は中古でも構いませんが、食器等のお客様の目につくものは新品がおすすめです。
購入先としては、一般店舗(家具屋や100均)もありますが、飲食店専用の店舗(テンポス等)や食器専門店や食器カタログから選ぶのもおすすめです。

仕入れ先探し

食品衛生責任者

調理メニューに合わせて仕入れ先を探しましょう。

  • 業者
  • スーパー
  • 農家
  • インターネット

色々な選択肢がありますが、こだわりと費用を考えて仕入れ先を選んでください。

また、飲食店の廃棄物は一般ゴミには出せないので、産廃業者とも契約しましょう。

スタッフ募集・業務教育

スタッフ募集

スタッフ募集も施工期間中に進めましょう。

  • ホールスタッフ
  • 調理スタッフ

それぞれ、店舗規模に合わせて募集してください。

必要な人員としては店舗ジャンルにもよりますが、以下が目安となるかもしれません。

  • 10席:調理1人・ホール0~1人
  • 20席:調理1~2人・ホール1~2人
  • 30席:調理1~2人・ホール1~2人
  • 40席:調理2~3人・ホール2~3人

スタッフ数は余裕を持って臨みたいところですが、コストとして大きいのも人件費なので注意しなければなりません。

人件費目安は売上の20~30%程度でもあるので、目標売上に対してしっかりと人件費を管理しましょう。

オープンに向けてスタッフ教育も余裕を持って進めましょう。
また、スタッフのサイズによって、制服・ユニフォーム類の発注も進めてください。

販促物制作

料理メニュー

メニューが決まったら、販促物・印刷物の制作も進めましょう。

印刷物の例
  • メニュー表:必須。綺麗な料理写真があるとなお良し。
  • フライヤー(チラシ):開店告知だけでなく来店者向けでリピーター獲得にも。
  • ショップカード:持って帰ってもらえると、お店の存在をお財布の中からアピール。リピート用ポイントカードとしても〇
  • 名刺:店長やスタッフ用に。各業者や近隣店舗とも名刺交換することで信頼アップ。
  • シール:主にテイクアウトドリンク用でお店のブランドをアピール。
  • パネル:料理のアピールに。綺麗な写真が必須。
  • ポスター:料理やメニューのアピールに。綺麗な写真が必須。
  • タペストリー:1枚あるだけでお店がグッとかっこよく。外観だけでなく内観にも使える。
  • のれん:ほぼ必須。のれん=開店営業中。

色々な印刷物があるので、お店と用途に合わせて制作しましょう。

ちなみに、弊社でも印刷物制作を請け負っておりますので、ご入用の際はぜひお声がけください。

料理メニュー写真撮影

料理写真

料理写真は「スマホ写真でOK」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、プロのカメラ撮影とはやはり違います。

メニュー、フライヤー、パネル、ポスター等、各印刷物にも使えますし、SNS使用効果も抜群です。

美しい料理写真のコスパはとても良いので、ぜひプロのカメラマンに依頼してみましょう。

ちなみに、弊社でも料理メニュー写真撮影を請け負っておりますので、ご入用の際はぜひお声がけください。

SNS・開店告知

SNS料理写真

飲食店集客において、SNSは必須クラスです。

開店告知だけではなく、料理メニュー紹介やお客様との交流を持つことも重要です。

まずはInstagram、余裕があればXのアカウントを開設しておきましょう。

料理の仕込み

開店に向けて、料理の仕込みは必須です。

新店開店時こそ行列ともなりがちなので、仕込みは余裕を持ってしっかりとしておきましょう。

ただ、あえて完売させてプレミア感を出すのも一手です。

プレオープン

飲食店開業

いきなりの本開店ではなく、練習用にプレオープンしておくのもおすすめです。

ただし、お店にとっては練習感覚のプレオープンでも、お客様にとっては本開店と同じ感覚です。

できるだけスタッフ教育を進め、余裕のある業務の流れを構築してください。

開店

諸々の準備を経て、飲食店開店フローチャートの最終段階。いよいよの本開店です。

スタッフ教育や仕込み準備をしっかりこなし、お客様の満足いく料理と接客を提供しましょう。

よくある開店準備不足での失敗等はこちらでまとめているので、合わせてご参考ください。

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